ソーシャルレンディングのリスクと問題点(投資をして分かったこと)

ソーシャルレンディング リスク

ソーシャルレンディングは高利回りで安定的であるために人気が出てきている投資分野ですが、投資である以上リスクは全くないのかと言えばそうではありません。

ソーシャルレンディングにおけるリスクについて、投資前に頭に入れておいていただきたい事項をお伝えいたします。

国の情勢リスク(カントリーリスク)

まずリスクとして国の情勢によってファンド運営が難しくなるようなカントリーリスクがあります。

日本においてはこの辺はあまり懸念材料がないと思いますが、ソーシャルレンディング業者のひとつ「クラウドクレジット」は海外向けのファンドを多く提供しています。一般的に海外の案件は高利回りのメリットがありますが、国によって内戦や経済状況により、約束している利回りが確保されないリスクがあります。

過去においてはクラウドクレジットが取り扱っている東欧金融事業者支援ファンドの第1号において、為替相場の変動によって期待していた利回りに対する配当が得られなかった事実もあります。

その後、改善するようになり配当が確保されるようになりましたが、海外においてはそのようなリスクがあることを忘れない事をおすすめします。

ソーシャルレンディング業者におけるリスク(カンパニーリスク)

我々投資家にファンドを提供しているソーシャルレンディング業者に対するリスクとして、カンパニーリスクがあります。

このリスクは、ソーシャルレンディング業者の情報が投資家に対して情報が正しく開示されているか、透明性がある情報が公表されているかによって、利用するソーシャルレンディング業者の信頼性を確認する必要があるということを意味しています。実際、情報開示が少ない業者は運営実態が見えない事も多く、そのような業者の利用はオススメしません。

過去においては「クラウドバンク」や「みんなのクレジット」が金融庁からの査察によって行政処分を受けています。クラウドバンクに関してはその後の業務改善により、取扱う投資取引高は右肩上がりになっていますが、みんなのクレジットに関しては、現在も業務改善として新規の取引を停止しているところです。

みんなのクレジットは過剰なキャッシュバックキャンペーン、高い水準の高利回りを実現したことにより投資額が増えていましたが、金融庁からの査察により、業務に対して不適切な行為があったことが判明しました。

このようなリスクを回避する方法としては、事前にソーシャルレンディング業者をしっかりと選ぶことが最重要ですが、もう一つの考え方としては、分散投資を行うことです。1つの業者に投資をするのでなく、他業者に対しても分散投資をすることで、万が一の場合に大きなダメージを受けることなく投資を継続できます。

ファンドに対するリスク(ファンドリスク)

ファンドに対してもリスクがあると言う事を忘れてはなりません。

ファンド募集をし、その時に提示した利回りが約束通りにならない事もあり、そのようなリスクがある事も投資する前に理解しておく必要があります。

少し前に「クラウドクレジット」が取り扱っているカメルーン中小企業支援プロジェクト(通称カメルーンファンド)にて、現地で分散融資をしていた4社に対して1社が融資したにも関わらず返済できないことになり、その後クラウドクレジットが対応と取ると言う事態に入りました。

担保があった分、少なくとも投資額の元本は返金されそうですが、利回りに関してはどの程度支払いが行われるかが焦点となっており、調整が続いています。このように信頼できるソーシャルレンディング業者のファンドであっても、担保の金額などにもきちんと目を向け、安全性の高いソーシャルレンディング案件に投資をすることが最重要です。

実際、クラウドクレジットは株主が大手商社である伊藤忠商事であるために会社としての信用はありますが、ファンドに関するリスクはソーシャルレンディング業者とは別の次元である事も事前に頭に入れておきましょう。

まとめ

ソーシャルレンディングのリスクは主にこの3つがメインであり、他には再生可能エネルギー関連での自然環境によるネイチャーリスクや、投資家が焦って高利回りばかり投資する事によってのファンドの貸し倒れリスクを高めてしまう、マインドリスク等もあります。

ソーシャルレンディングは安定的である分、万が一の時は業界内でその情報が大きく取り上げられてしまうため過敏に反応してしまう事がありますが、いかに投資される方がリスクを理解した上で分散投資をしていくかによって、そのような事態に対しても冷静に対処する(そもそも巻き込まれない)ことが重要です。

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