ソーシャルレンディングで実際に発生したトラブルまとめ

ソーシャルレンディングは投資である以上、過去にどのようなトラブルが起こっていたことがあるのか気になる所です。

今回は、これまでに発生したソーシャルレンディングにおけるトラブルについてまとめてお伝えします。

ソーシャルレンディング運用上でのトラブルはいまのところなし

まず、ソーシャルレンディングを運営している立場のソーシャルレンディング業者と投資家との間の直接的なトラブルについては、今のところは大きな話題になった問題は発生していないというのが現状です。ソーシャルレンディング業者の不正などにより、投資家の資金が不正に流出したような問題は発生していません。ほとんどのソーシャルレンディング業者は順調に事業を運営しています。

ソーシャルレンディング業者はあくまで仲介業者という立場であるために、融資先の企業や個人の返済能力が滞ったこととが起こらない以上、運営は安定的と言えるでしょう。

一方で、融資先である企業や個人が返済できなくなったことに起因するトラブルにより、ソーシャルレンディング業者に問い合わせが殺到するようなことがあり、過去インターネット上ではいろいろ噂が流れていたことがありました。

ソーシャルレンディングでトラブルが発生したケースの多くは、融資先の返済や事業に問題が生じたことが原因と言えます。

トラブルとなった個人間での取引(P2Pレンディング)

過去、マネオSBIソーシャルレンディングで取り扱いをしていたサービスとして、個人間で融資をし合うP2Pレンディングにおいては、トラブルが起こりました

P2Pレンディングとはソーシャルレンディングを通して個人と個人がお金を貸し借りができるサービスで、ソーシャルレンディング投資先進国であるアメリカにおいてはこのP2Pレンディング取引が盛んに行われています。

それをいち早く日本に取りいれてサービス展開を始めたのがマネオやSBIソーシャルレンディングだったのですが、実際に運営をしていくと、融資を受けた個人が返済をしないと言うトラブルが多発してしまい、マネオにおいてはネット上で信用を落とすようなイメージを持つようにもなりました。

マネオとしては、今後の経営に大きな悪影響を与えてしまうことを防ぐため、P2Pレンディングの取引を全面的に中止し、企業を相手にファンドを融資する形に舵を切るようになりました。

SBIソーシャルレンディングにおいても同様に、P2Pレンディングのサービスを終了し、信用力の高い企業向けのサービスへ変更と行う形になりました。
(参考)
ソーシャルレンディングのオークション型って?3つのタイプを理解する。

みんなのクレジットの行政処分

ソーシャルレンディングで比較的最近に起こったトラブルとして、みんなのクレジットの行政処分の件があります。

みんなのクレジットはソーシャルレンディング業者の中でも、特に高利回りと現金でのキャッシュバックキャンペーンを頻繁に行っていたことで、多くの投資家からは人気を集めていました。

しかしながらその後、金融庁の審査によって、2017年3月24日に証券取引等監視委員会の行政処分を受けて業務停止を受けることとなりました。

主な内容としては、①ファンドの貸付先につき分散融資を表示しつつ、実態は貸付先が特定の会社に集中しており、貸倒れのリスクを不当に高めてしまったこと②全ファンドにつき担保設定をしている広告掲載を行っていたものの、実際は特定のファンドには担保設定をしていなかったことというものでした。

投資家にとっては、業務停止を受けるほどの行政処分をソーシャルレンディング業者が受けたことへのショックが大きく、ソーシャルレンディング業界全体としても投資マインドを後退させる原因にもなりました。

みんなのクレジットとしては新規での申し込みを停止し、業務改善を進めているところですが、イメージ的にもなかなか復帰したとしても投資するのに抵抗を感じる方もおられるかもしれません

投資家の信頼を落とす原因にもなった一件と言えます。

クラウドクレジットの償還遅延の件

投資額が回収不能となったトラブルと言うわけではないのですが、ファンドの償還遅延によって投資家の信頼を失った件として、クラウドクレジットにおけるカメルーン中小企業支援プロジェクト7号の件があります。
(参考)
ソーシャルレンディングで支払遅延が起こったケーススタディ

内容を簡単に説明すれば、融資をした中の会社の1社が計画通り返済できなくなったことから、投資家は償還予定日にそのまま融資したお金を受け取ることが出来なかった案件が発生したというものです。クラウドクレジット側は、投資家のダメージを最小限にとどめるべく、貸し倒れという処理ではなく、償還予定日の期間延長と言う形で、回収不可能になった資金を少しずつ投資家に返金していこうと対応しています。

投資家にとってはそのようなリスクを理解した上で投資をする必要がありますが、やはり高利回りを期待して投資したにも関わらずこのような回収ができないと言う事態の発生は業界の信頼は落ちてしまいます。

クラウドクレジットとしてはなるべく延長期間中に回収するように心がけているために、このような行動は投資家にとっては更なる信頼感を与えるのですが、やはり回収できないことに少し残念な思いを与えた事には間違いないでしょう。

まとめ

ソーシャルレンディングで実際に発生したトラブルとしては、過去のP2Pレンディングによって起こった個人間での返済トラブル以降、大きな問題は起こっていないのが現状と言えます。

みんなのクレジットの件は、会社の体質が金融庁から指摘された内容であることから、ソーシャルレンディング投資そのもののトラブルとは別に捉えるべきであり、ソーシャルレンディング業界全体としては比較的安定的と言えます。

ファンドの運用において回収不可能なことや、投資する時に約束してあった利回りが少なくなるという可能性も完全にはぬぐえませんが、ソーシャルレンディング業界全体としては今は、比較的安定的に投資が可能な状況であると言えます。

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